公開日:2025年9月11日

この記事はこんな方におすすめです
はじめに
最近、ネットで「タイミーで働いた人はフリーランス労災保険の対象」という記事を目にした方もいるかもしれません。
でも、果たして本当にそうなのでしょうか?
実際に私が東京労働局に問い合わせて確認したところ、 「原則としてタイミーは雇用契約による短時間アルバイト。だから事業主が労災保険をかける対象であり、フリーランス労災の対象ではない」 というのが大前提でした。
ただし、事故の発生状況や契約の実態によっては、個別に判断されることもあるそうです。
この記事では、タイミーの働き方とフリーランス労災保険の関係を整理し、ネット記事だけを鵜呑みにしないためのポイントをお伝えします。
タイミーの働き方と契約の仕組み
タイミーは「スキマバイト」と呼ばれるように、アプリから短時間で仕事を探して働ける仕組みです。
一見フリーランスのように自由に見えますが、実際の契約は違います。
タイミーの公式発表によると、2022年以降は業務委託による仲介は行っておらず、すべて雇用契約での勤務となっています。
つまり、タイミーで働いた場合は「労働者」として扱われ、雇用主(仕事を依頼した店舗や会社)が労災保険をかける立場になるのです。
フリーランス労災保険とは?
フリーランス労災保険は、国の新制度として2021年に始まった「特別加入」の仕組みです。
これまで労災保険は「会社員など雇用される労働者」だけが対象でしたが、法改正によって 「一人で働くフリーランスや個人事業主」も労災に入れるようになりました。
ただし対象になるのはあくまで 「業務委託契約に基づく働き方」。
自分で事業主となり、取引先から業務を受託している人が対象なのです。
ネット記事にある「タイミーはフリーランス労災対象」説
以下のような記事では、タイミー勤務中に事故に遭ったケースが「フリーランス労災の対象」として紹介されています。
しかし、記事の読み方によっては「タイミーで働けば自動的にフリーランス労災で補償される」と誤解してしまいかねません。
実際には、タイミーでの勤務は雇用契約が基本なので、 フリーランス労災の対象外 なのです。
東京労働局に確認した公式見解
東京労働局に問い合わせたところ、次のような見解を得ました。
- 一般的にタイミーなど短時間アルバイトは雇用契約に基づくもの
- したがって、労災保険は雇用主が加入・適用し、フリーランス労災保険では補償にならない
- ただし、事故発生時の状況によって「業務委託だったのか」「雇用だったのか」を個別に判断する
つまり原則は「タイミー=雇用契約=事業主の労災保険」
フリーランス労災保険が適用されると断定するのは誤りだということです。
個別判断となるケースとは?
では「個別に判断されるケース」とはどんな場合でしょうか?
例を挙げると、
- タイミーの仕事を終えた後、次の業務委託の現場へ向かう途中に事故に遭った
- 契約内容が不明確で、実態として「労働者」か「フリーランス」か判断が分かれる
こうした場合には、国の基準に基づき個別に調査・判断されるとのことです。
まとめ
ここまでの内容を整理すると、
- タイミーでの仕事は 基本的に雇用契約による短時間アルバイト
- そのため、労災保険は 事業主がかける通常の労災保険 が対象
- フリーランス労災保険では、原則として補償対象にならない
- ネット記事だけを信じて「タイミー=フリーランス労災対象」と思うのは誤解
- ただし、事故の状況や契約内容によっては個別判断されるケースもある
つまり、「タイミーだからフリーランス労災で守られる」とは言い切れないのです。
大事なのは、自分がどんな契約形態で働いているかを正しく理解し、必要に応じて保険の準備をしておくことです。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。