5分でわかる 特定農作業従事者の労災保険特別加入

この記事はこんな方におすすめです

  • 自分の経営規模で労災に加入できるか知りたい農家さん
  • トラクターの運転や高所での剪定など、危険な農作業が多い方
  • 「特定農作業」と「指定農業機械」のどちらに加入すべきか迷っている方

はじめに

農業の労災「特定農作業従事者」の特別加入は、2ha以上または売上300万円以上の規模を持つ農家が対象です。
ただし、小規模でも営農集団等なら加入でき、
機械や高所など「5つの危険作業」中の事故が手厚く補償されます。

本記事では、加入要件や対象となる作業、必要書類、別枠の「指定農業機械」との違いまで解説!
自分が対象か見極め、万が一の事故に備えましょう。

加入できるのは「プロ級」の規模を持つ農家

特定農作業従事者に加入するには、一定以上の経営規模が必要です。
以下のいずれか一方を満たしていればOKです。

経営耕地面積
 2ヘクタール以上

年間農業生産物販売額
 300万円以上

小規模農家でもグループならOK!
個人の規模が小さくても、
所属する「営農集団」「農事組合法人」で上記の規模を満たしていれば、
メンバー全員が加入資格を得られます。

補償の対象となる「5つの危険な作業」

農業のすべての作業が対象ではなく、
以下の「特に危険な5つの作業」とその附帯作業中の事故に限られます。

●動力機械を使う作業
 トラクター、コンバイン、草刈機、自動給餌機など。

●高所作業
 高さ2メートル以上の場所(脚立での剪定や屋根の修理など)。

●酸素欠乏の恐れがある場所
 サイロ、むろ(貯蔵庫)の中など。

●農薬散布の作業
 農薬の調製から散布作業まで。

特定の家畜に接触する作業
 牛・馬・豚の飼育や処置。

「鳥(家きん)」の扱いに注意!
鳥は牛や豚に比べて物理的な危険が低いとみなされているため、
「鳥との接触そのもの」は指定作業に含まれません。

ただし、家きん飼育において
「自動給餌機や集卵機などの動力機械を使う作業」を行っている際の事故は、動力機械作業として補償の対象になります。

特定農作業での労災事故例

どのようなケースで保険が下りるのか、具体的な例を見てみましょう。

【機械作業】
  トラクターで耕耘中、傾斜地で横転し下敷きになった。

【高所作業】
 3メートルの脚立に登って果樹の剪定中、バランスを崩して転落した。

【農薬散布】
 真夏に防護服を着て農薬散布中、急性農薬中毒(またはそれに伴う熱中症)で倒れた。

【家畜接触】
 牛舎で清掃中、興奮した牛に蹴られて骨折した。

加入時に必要な証明書類

プロ農家であることを証明するため、手続き時には以下の書類の写しが必要となります。

個人の場合

●耕作面積の証明
農業委員会が発行する専用の証明書が必要です。
市町村の農業委員会で「労災加入のために面積の証明がほしい」と伝えれば、
書類を発行してもらえます。

●売上の証明
・農協に販売した場合は、農協の証明書
・市場に売却した場合は、市場の証明書
・所得税青色申告決算書の控え

営農集団・農事組合法人の場合

●営農集団としての証明
・定款・規約および共同作業等の定めを記載した書面
・構成員名簿

●農事組合法人としての証明
・登記簿謄本
・組合員であることを証明する書面

「指定農業機械作業従事者」との違い

「うちは面積が足りない…」「売り上げ300万円以上もない…」という場合でも、
別の枠組みで加入できる可能性があります。

項目特定農作業従事者指定農業機械作業従事者
規模制限あり(2haまたは300万以上)なし(規模を問わず加入可)
補償範囲5つの危険作業(高所・家畜等含む)指定された機械の操作中のみ
主な対象大規模経営農家・法人役員小規模農家・機械作業中心の人

まとめ

特定農作業従事者の労災特別加入は、
一定以上の規模を持つプロ農家や営農集団を
守るための強力なセーフティネットです。

「うちは条件(2haまたは300万円)を
クリアしている」
という方は、
5つの危険作業を幅広くカバーしてくれる
特定農作業従事者への加入手続きを進めましょう。
必要な証明書類(農業委員会の面積証明など)を早めに準備しておくのがスムーズです。

一方で、「規模の条件がどうしても足りない…」という場合でも諦める必要はありません。
規模制限のない「指定農業機械作業従事者」という選択肢もあります。

フリーランス保険組合は、どちらの枠組みを取り扱っています。
どちらの枠組みがご自身の経営スタイルに合っているか迷っている方は、
フリーランス保険組合にお声がけください。

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