樹木医の業務委託に労災保険は必須!? 行政が知るべきリスクと対策

この記事はこんな方におすすめです

  • 樹木医へ仕事を依頼する自治体や行政の担当者さま
  • 業務委託契約における労災事故の責任範囲を知りたい方
  • 受託側にフリーランス労災保険への加入を勧めたい方

はじめに

2024年4月4日、名古屋・栄の繁華街で高さ約15メートルのケヤキが根元から倒れる事故が発生しました。幸い怪我人は報告されていませんが、樹木医の調査により「根元が完全に腐っていた」ことが判明しています。

こうした倒木リスクから市民を守る樹木医の仕事は大変重要です。しかし、その調査や作業には常に危険が伴います。行政の担当者さまとして、こうした専門業務を委託する際、もし作業中に事故が起きたらどうなるか、考えたことはありますか?今回は、樹木医の業務委託における労災保険の重要性についてお伝えします。

倒木事故を防ぐ樹木医の重要性と、作業に潜むリスク

4月4日の午後7時半ごろ、名古屋市中区栄で高さ約15メートルのケヤキが根元から倒れました。後の樹木医による点検では、幹の中心部の腐敗が進んでいたことが判明しています。

このような倒木事故を未然に防ぐため、樹木医は日々現場で点検を行いますが、その作業自体に大きなリスクが潜んでいます。腐敗した巨木の調査は、いつ倒木に巻き込まれてもおかしくない状況ですし、現場への移動も事故やケガのリスクが伴います。市民の安全を守るために、樹木医自身が危険な環境に身を置いています。

樹木医の業務委託に労災保険が必要な理由

樹木医の方が個人事業主(フリーランス)として活動している場合、一般の労災保険が適用されません。
通常、会社員であれば労災保険で守られますが、個人で活動する樹木医は「労働者」ではないため、そのままでは国の労災保険が適用されないのです。

もし、業務中に事故が発生し怪我をした場合、労災保険に入っていなければ、治療費や休業中の所得補償が一切受けられないことになります。専門性の高い貴重な人材である樹木医が、安心してその技術を発揮し続けられる環境を整えるためには、国の労災保険によるバックアップが不可欠なのです。

受託側が未加入でも発注側には関係ない?

「業務委託だから、相手の怪我までは責任を持てない」と考えるのは、今の時代ではリスクが高いかもしれません。
万が一、作業中に重大な事故が発生し、受託者が無保険だった場合、発注者である行政に対して「安全管理に問題があった」として損害賠償を求められる訴訟リスクが生じます。
また「公的な仕事を依頼しておきながら安全対策を軽視していた」という批判が起き、社会的信用の失墜にも繋がるかもしれません。

受託者が労災保険(特別加入)に入っていれば、国から迅速に給付が行われるため、こうしたトラブルの深刻化を防ぐことができます。業務委託をしている相手の労災保険の確認は、発注側の身を守ることにも繋がるのです。

行政としてのリスク管理と労災特別加入の推奨

名古屋市の担当者が「大きなリスクを抱えている。厳粛に受け止めている」と語った通り、街の安全管理には重い責任が伴います。それと同時に、作業者の安全をどう守るかも重要なリスク管理の一環です。
委託契約を結ぶ際、樹木医のような「特定作業従事者」が加入できる「労災保険の特別加入」を確認、あるいは推奨することをお勧めします。これにより、行政・樹木医・市民の三方が守られる安心な体制を構築することができるのです。

まとめ

名古屋での倒木事故は、樹木管理の重要性を再認識させるものでした。その最前線で働く樹木医の方々を守ることは、巡り巡って街の安全を守ることにも繋がります。業務委託の際には、ぜひ労災保険への加入状況にも目を向けてみてください。手続きや制度の詳細についてご相談があれば、いつでもフリーランス保険組合にお任せください。

ご注意:この記事は2026年4月13日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
タイトルとURLをコピーしました