脚立から転落!?造船業フリーランスの労災補償はどうなるの?

この記事はこんな方におすすめです

  • 造船に従事する一人親方さん
  • 造船作業を下請けに発注する担当者さん
  • 造船作業中に脚立を使ったことがある一人親方さん
  • フリーランスで労災保険の特別加入を検討している方
  • 顧問先に一人親方を持っている社労士の先生

はじめに

造船業は、多くの職種と多様な作業が関わる、危険と隣り合わせの現場です。

特にフリーランスや一人親方の方々は、万が一のケガや事故の際、補償が受けられないケースも少なくありません。

そんなときに役立つのが、「労災保険の特別加入制度」です。

この記事では、造船業に従事する一人親方やフリーランスの方々が、どのように労災保険に特別加入できるか、そしてどのような補償が受けられるのかをわかりやすくご紹介します。

造船業で多いケガ・事故とは?

造船現場では、脚立からの転落・墜落事故が最も多く報告されています。
とくに脚立の1~2段目からの転落で骨折してしまう例が非常に多いのです。

  • 転落:脚立に接したまま落ちる
  • 墜落:体が宙に浮いて落下する

転落でも、骨折で3か月~1年の現場離脱となるケースもあり、働けない間の収入が途絶えることも。

また、以下のようなケガや事故も頻繁に起こります:

  • 火傷(やけど):治療が長引き、遠方の専門医への通院が必要になることも
  • 目に鉄粉が入る:溶接・清掃時の異物混入、労災対象だが指定外病院の場合は自己立替が必要
  • 上から物が落ちてくる:第三者行為災害に該当する場合は、警察への届け出も必要
  • 指をドアに挟む:休憩室や車のドアなど、日常的な場面でも意外と多い

こうしたケガに備えるためにも、労災保険の特別加入は必要不可欠です。

フリーランスでも入れる「労災保険特別加入制度」

「労災保険は会社員のもの」と思っていませんか?
実は、国が認めた『特別加入制度』により、一人親方やフリーランスも労災保険に加入できます。

特別加入すると、以下のような補償が受けられます:

  • 治療費が原則無料
     仕事中のケガについては、労災指定病院なら医療費は全額補償。
  • 休業補償がもらえる
     例えば給付基礎日額を「7,000円」に設定すれば、事故により休業した日数に応じて補償されます。
     最低でも 日額2,800円(給付基礎日額3,000円の場合)が補償されます。
  • 通院費用の補助もあり
     火傷などで遠方の専門病院に通う場合、交通費も労災から出る可能性があります。

こうした補償があることで、安心して作業に集中できる環境が整います。

加入手続きは「RJC」で簡単に

造船業のフリーランスや一人親方の方は、「RJC(一般社団法人日本リスク管理支援協会)」を通じて、フリーランス保険組合で労災保険に加入できます。

【加入の流れ】

  1. フリーランス保険組合サイトからお問い合わせ
  2. 加入申請書の提出(オンライン対応もOK)
  3. 必要書類と保険料の納付
  4. 労働局の審査 → 労災特別加入が正式に承認されます

加入後は、事故が起きた際の給付請求や書類のサポートも受けられます。
専門のスタッフが丁寧に対応してくれるので、初めてでも安心です。

まとめ

造船業で働く一人親方やフリーランスの方にとって、日常的なケガのリスクはつきものです。
労災保険の特別加入により、治療費や休業補償をしっかりと受けられる環境を整えておくことが、自分と家族を守る第一歩です。

給付基礎日額の設定に悩んでいる方も、ぜひ一度ご相談ください。

ご注意:この記事は2025年8月8日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
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