労災の「給付基礎日額」とは?往診や施術の休業に備える適正な選び方

この記事はこんな方におすすめです

  • 申込画面の「給付基礎日額」でどれを選ぶべきか迷っているあはき師の方
  • ご自身の確定申告(所得)に対して、損のない適正なランクを知りたいあはき師の方
  • 手首の負傷や往診中の事故で「明日から休業」になった時のリアルな支給額を知りたいあはき師の方

はじめに

労災保険の「日額」は、万が一の休業時に国から支払われる補償の計算基準です。

安さだけで選ぶと、ケガで施術ができなくなった際に生活が困窮するリスクがあります。

ご自身の所得に見合った最適なランクの仕組みと選び方を、結論から分かりやすく解説します。

給付基礎日額は「補償の計算ベースとして自分で設定する枠」

国の労災保険(特別加入)へ加入する際、必ずご自身で選択することになるのが「給付基礎日額」です。

これは、直近の売上から自動で連動するものではありません。

「万が一、ケガや体調不良で施術や往診に行けなくなった際、1日あたり何円の基準で国から休業手当を計算してほしいか」を、加入時にあらかじめ宣言しておく設定値になります。

3,500円〜25,000円16段階の枠が用意されており、ご自身の現在の事業規模や所得に合わせて選ぶ仕組みです。

勘違いに注意!選んだ日額がそのまま全額もらえるわけではない

手続きを進める上で、最も見落としがちなポイントが支給割合です。

臨床中のトラブルや訪問移動中の事故などでやむを得ず仕事を休み、休業4日目を迎えた段階から国より支給される内訳は以下のようになっています。

実際の支給額 = 設定した「日額」の約8割※特別支給金20%を含む)

たとえば、「日額10,000円」の枠で登録を完了していても、実際に支給されるのは1日あたり約8,000円です。

ご自身が動けなくなると即座に売上がストップしてしまう一人親方のあはき師にとって、親指の負傷や急性腰痛による長期離脱は大きな痛手です。

「もし給付が約8割になっても、施術所の維持費や光熱費、日々の生活費をしっかりカバーできるか」という視点から逆算して、登録する枠を決めるのが確実です。

「安さ」だけで最低ランクを選ぶリスク

「できるだけ掛け金を抑えて手続きしたい」という理由から、最も低い3,500円の枠に目を向ける方も少なくありません。

しかし、この場合の受給額は1日あたり約2,800円。

丸々1ヶ月間休業を余儀なくされたとしても8万円台にとどまるため、院の固定費を払うだけで消えてしまいます。

かといって、「上限いっぱいの25,000円で手厚く備えよう」と根拠なしに高い枠を選ぶことも認められていません。

公的な制度としての公平性を保つため、日額16,000円以上の高ランクを選択する場合は、相応の稼ぎがあることを裏付ける書類(確定申告書の控えなど)の提出が必須条件となります。

ルールとして、あくまで「現在のリアルな経済状況と見合った補償枠をセットする」という点が大前提です。

確定申告書から見る「日額」の適正目安

前年の確定申告書の「所得金額(売上から経費を差し引いた額)」手元に用意し、以下の目安表を参考にランクを検討してみましょう。

設定したい日額前年の所得目安(16,000円以上は要証明)選び方のスタンス
日額 10,000円標準的な補償を望む場合【推奨】 日給換算で約8,000円が支給され、生活維持のベースになる標準ランク
日額 16,000円年間の所得 584万円以上予約や訪問件数が安定し、しっかりとした収入基盤がある方
日額 20,000円年間の所得 730万円以上一人治療院や訪問マッサージで高い売上・所得を維持している方
日額 25,000円年間の所得 912万5千円以上業界トップクラスの所得があり、休業時の損失を最大限カバーしたい方

まとめ

重症患者様の可動域訓練や按圧など体力を使う手技が多く、バイクや自転車での訪問移動も多いあはきフリーランスにとって、ご自身の身体は唯一無二の資本です。

「日額」は単なる登録上の数字ではなく、万が一の事態からあなたと大切な治療院を守るための具体的な「盾の厚み」です。

現在の売上と毎月の固定費のバランスを考慮し、「無理のない保険料」と「安心できる補償」が両立するベストなランクを選びましょう。

具体的な金額が気になる方は、当組合の無料お見積もりをぜひご活用ください。

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