造園委託の盲点!役所が確認すべきフリーランス・一人親方労災

この記事はこんな方におすすめです

  • 自治体の総務・管財・施設管理・公園緑地課などで、植木剪定の発注を担当している方
  • フリーランス新法の施行を機に、個人事業主への発注時の安全管理基準を整理したい方
  • 「建設業の一人親方労災」と「フリーランス労災」の切り分けと行政側のリスクを知りたい方
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はじめに

役所の庁舎周辺や公立学校、公園などの緑地管理において、
「庭木の剪定」を地域の個人事業主(一人親方・フリーランス)に業務委託している自治体は多いかと思います。


フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化法)の施行以降、
公的機関の発注においても、就業環境の安全性への配慮がこれまで以上に注目されるようになりました。

現在、この造園・剪定の分野では、
従事者側から「労災保険(特別加入制度)」への申し込みや問い合わせが増加傾向にあります。

なぜ今、現場で労災加入への意識が高まっているのか。
そして、「工事」か「剪定のみ」かで適用される労災保険が変わるという、
行政担当者が絶対に見落としてはならない盲点について解説します。

「工事」か「剪定のみ」かで変わる!造園業における労災保険の正しい定義

個人事業主は労働基準法上の「労働者」ではないため、原則として一般の労災保険は適用されません。
そのため国の「特別加入制度」を利用しますが、
造園業の場合は発注する業務内容によって加入すべき区分が全く異なるため注意が必要です。

発注する業務内容該当する区分必要な特別加入制度
造園工事・外構工事
(石組み、植樹、庭園造成など)
建設業建設業の一人親方労災保険
メンテナンスのみ
(剪定、草刈り、伐採、消毒など)
生活関連サービス業等フリーランス労災保険
(特定フリーランス)

役所が発注する日常的な「庁舎の庭木剪定」や「公園の草刈り」は、
工事を伴わないためフリーランス労災保険の対象となります。

もし受託者が「建設業の一人親方労災」にしか入っていない場合、
工事ではない剪定作業中の事故は補償の対象外(未加入と同じ状態)になってしまうリスクがあります。

行政担当者は、発注内容に見合った正しい保険に加入しているかを確認する必要があります。

【一覧で見る】庭木剪定に潜む3大リスクと行政担当者ができる対策

デスクワーク中心の行政職員にとって、造園作業の具体的な危険性は見えにくい部分もあります。
現場のリスクと、発注側である行政が関与できる対策をまとめました。

現場の主なリスク具体的な事故・災害イメージ行政(発注者)ができる
現場管理・対策
高所からの墜落・転落脚立、三脚、または樹木からの
転落による重傷事故。
事前に業務内容に応じた労災保険(特別加入)の加入状況を確認し、安全への意識を促す。
工具による負傷(切創)チェンソーやヘッジトリマー等の
刃物による接触・負傷。
現場周辺の傾斜や障害物など、
作業の妨げになる物理的な危険箇所を事前に共有する。
屋外環境(ハチ・熱中症)スズメバチ等による刺傷や、
炎天下での熱中症。
過去のハチの巣の発生履歴や、
日陰・休憩場所として提供できる
スペース等の情報を伝える。

実務のポイント:契約・発注時における適切な安全確認の手順

行政が個人事業主に業務発注を行う際、
独占禁止法やフリーランス新法における「優越的地位の濫用」等に抵触しないよう留意しつつ、
安全管理の観点から適切な確認を行うための実務ステップです。

ステップ①:仕様書や打ち合わせでの「確認事項」の提示
「本業務の遂行にあたっては、安全衛生に十分配慮すること。
また、万が一の事故に備え、業務実態に即した労災保険(特別加入制度)等への加入を推奨・確認する場合がある」旨を事前に共有します。

ステップ②:加入証明書(会員証の写し等)の確認
契約手続きや着工前の段階で、加入している場合はその証明書の写し(フリーランス労災、または一人親方労災)を提出してもらう運用をルール化します。

ステップ③:現場情報の提供(発注者の安全配慮)
「発注して終わり」ではなく、敷地内の危険なエリア(滑りやすい斜面、一般市民の導線など)を書面や口頭で事前にアナウンスします。これが発注者としての適切な安全配慮の実務となります。

まとめ:適正な確認が、公的機関と受注者の双方を守る

造園の個人事業主の間で労災保険への加入意識が高まっているのは、
それだけ現場のリスクを客観的に捉え、プロとして責任を持って仕事に臨もうとしている変化です。

行政担当者が発注時に「工事なのか、剪定のみなのか」を見極め、
適切な労災の加入状況を正しく確認し、現場の危険情報を共有することは、受託者への過度な干渉ではありません。

むしろ、
「公的機関の敷地内における安全な公務執行」と
「万が一のトラブル(補償対象外の事故)防止」を両立させるために極めて有効なリスクマネジメント
です。

コンプライアンスと安全を重視した確実な発注体制づくりのために、
ぜひ日々の実務にお役立てください!!

ご注意:この記事は2026年7月2日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
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