公開日:2026年7月2日
ID:22012

この記事はこんな方におすすめです
私たちは日本一のフリーランス専門 労災特別加入団体を目指しています!
早い: 24時間WEB完結・カード即発行
安心: 厚生労働省認可・34年以上の実績
専門性:特別加入に精通したプロ社労士が在籍
はじめに
自治体が発注する庁舎管理や清掃業務の現場では、
組織に属さない「一人親方」や「フリーランス」の技術者が実際に作業しているケースが数多くあります。
今、こうした現場で働く個人事業者からの「労災保険」や「損害賠償保険」への申し込みが急増しています。
背景には、2024年11月にスタートした「フリーランス新法」の影響や、
元請け企業による安全対策の強化があります。
元請け企業に任せきりにしていると、万が一の事故の際に自治体側が思わぬ責任を問われるリスクがあります。
本マガジンでは、発注者である自治体担当者が知っておくべきリスクと、
今すぐできる対策を分かりやすく解説します。
なぜ今、メンテナンス業のフリーランスが「保険」を急ぐのか
高所作業や電気設備の点検など、メンテナンスの現場は常に怪我や物損の危険と隣り合わせです。
本来、個人事業者であるフリーランスは、業務中に怪我をしても国の労災保険の対象外でした。
しかし近年、国が個人でも入れる労災の仕組み(特別加入制度)を広げたことや、
フリーランス新法の施行により、現場のルールが厳しくなっています。
現在、多くのフリーランスが保険に駆け込んでいる動機は以下の通りです。
【個人事業者が直面している実態】
- 「国の労災(特別加入)の証明書を出さないと、来月から現場に入れないと元請け企業に言われた」
- 「万が一、役所の現場で大怪我をしたときに無保険だと、元請けも役所も責任が取れないからと加入を促された」
つまり、「労災未加入のフリーランスを現場に入れて事故が起きた際のリスクに、元請け企業が耐えられなくなった」ことが、申し込み急増の本当の理由です。
【比較表】もしも無保険の個人が現場で大怪我をしたら?自治体のリスク
もし、自治体の施設内で「労災に入っていないフリーランス」が墜落などの重大事故を起こした場合、
どうなるでしょうか。
「民間企業(元請け)が勝手に使っている外注先だから役所は関係ない」とはいきません。
最終的な施設管理者である「自治体」が背負うリスクを整理しました。
| 事故のケース | 委託先(フリーランス)が 「労災加入」している場合 | 委託先(フリーランス)が 「労災未加入」だった場合 |
| ① 被災した作業員への補償 | 国の労災保険から治療費や休業補償がスムーズに給付される。 | 治療費や休業中の収入補償が一切ないため、生活に困窮した作業員や遺族が深刻な状況に陥る。 |
| ② 自治体への法的リスク | 労災から一定の給付があるため、 発注者へ矛先が向く可能性は低い。 | 補償がないため、「役所の施設の安全管理や、発注者としての配慮が不十分だった」として、自治体を相手に巨額の損害賠償請求(安全配慮義務違反)を起こすリスクが高まる。 |
| ③ メディア報道・議会対応 | 「適切な労災手続きのもとで 処理された不可抗力の事故」 として扱われる。 | 「役所が、国の労災にも入っていないような無保険の作業員を危険な現場で働かせていた」と見なされ、 住民からの批判や議会での 徹底追及に発展する。 |
現場の末端が労災未加入であることは、
自治体にとっても「重大な事故リスク」を直接抱え込んでいる状態と言えます。
フリーランス新法で変わる!発注側(自治体)が無視できない「安全衛生」のルール
2024年11月にスタートした「フリーランス新法」は、個人で働く人を守るための法律です。
「役所が直接フリーランスと契約していなければ関係ない」と思われがちですが、そうではありません。
この法律では、フリーランスが働く「就業環境の整備(安全衛生への配慮など)」が
発注企業に義務づけられています。
自治体の庁舎や施設そのものが作業場所となるメンテナンス業務において、
元請け企業がこの法律(安全衛生の配慮)を怠っていれば、
その違法状態の舞台は「自治体の施設内」ということになります。
コンプライアンス(法令遵守)の観点からも、元請け企業の管理不足は自治体の落ち度として見なされかねません。
契約書の「一文」でリスクを防ぐ!明日から使える仕様書の書き方
自治体の担当者が今すぐ実践できる防衛策は、入札や見積もり時の「仕様書(契約条件)」のアップデートです。
従来のテンプレートに、以下の2つのポイントを追加しましょう。
リスクを防ぐための仕様書の工夫
- 再委託時の「労災加入」を明確に義務づける 「受託者は、業務を第三者(個人事業者を含む)に再委託する場合、その作業者が労働者災害補償保険(特別加入制度を含む)に加入していることを確認し、その証明書の写しを自治体に提出しなければならない。」
- 現場に入る人の「安全衛生名簿」を出してもらう 仕様書の中で、現場で実際に作業する全員の名前と、それぞれの「労災保険加入状況(特別加入含む)」をまとめた報告書の提出を義務化します。これにより、無保険の作業員が紛れ込むのを未然に防ぎます。
まとめ
メンテナンス業界で起きている「労災保険への駆け込み現象」は、
これまでの「現場任せ」「自己責任」にされていた安全管理を見直し、
正しい状態へ変えていくための過渡期であることを示しています。
行政担当者にとっても、これはピンチではなく、
「仕様書を見直して、自治体が巻き込まれる労働災害リスクを未然に防ぐ絶好のチャンス」と言えます。
「大手の元請け企業だから大丈夫」と安心するのではなく、
その先にある現場の作業員がしっかり国の労災に守られているかまで目を配ること。
それが、これからの時代に求められる安全な施設管理の一歩です。
