委託ドライバーの労災 「本人任せ」で大丈夫?

この記事はこんな方におすすめです

  • 大手通販会社などから荷物の配送を請け負っている会社
  • 個人ドライバーへ配送業務を委託している会社
  • 委託ドライバーの契約関係や労災加入状況を把握できていない会社
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はじめに

今日も荷物は届く。
ドライバーもいつも通り走っている。
では、そのドライバーが配送中に事故に遭ったら。

どの労災保険が適用されるか、すぐ答えられますか?

「うちは業務委託だから」
そう思った担当者の方にこそ、読んでほしい話です。

委託ドライバーだからこそ、事故が起きる前に確認しておきたいことがあります。

委託ドライバーがケガ 労災はどうなる?

大手通販会社などから荷物の配送を請け負い、その配送を個人ドライバーへ委託する。
こうした形で配送事業を行っている会社もあります。

ここで質問です。

委託しているドライバーの労災加入状況まで把握していますか?

配送中の交通事故だけが、仕事中のケガではありません。

荷物を持ち上げて腰を痛める。
荷物の積み降ろし中に転倒する。
配達先の階段で足を滑らせる。

配送の仕事には、日常の業務の中にもケガのリスクがあります。
労働者であれば、原則として事業主が加入する労災保険の対象になります。

一方、本当にフリーランスとして働くドライバーの場合、
発注会社の労災保険が当然に適用されるわけではありません。

そこで関係するのが労災保険の特別加入制度です。

個人で貨物運送事業を行う人は、一定の要件を満たす場合、
一人親方等として労災保険に特別加入することができます。

つまり、

「業務委託だから会社の労災は関係ない」で話を終わらせるのではなく、
「では、そのドライバー自身の労災への備えはどうなっている?」まで確認する。

ここが大切です。

事故が起きてから、

「この人、労災に入っていたっけ?」

では遅いのです。

その人、本当に業務委託ですか?

労災について考えると、もう一つ避けて通れない問題があります。

そもそも、そのドライバーは本当に「業務委託」なのか。

配送会社によって契約の形はさまざまです。
業務委託契約書を交わしている会社もあるでしょう。
メールや電子データなどで取引条件を明示している会社もあるでしょう。

一方で、

「紹介で来てもらって、そのまま何年もお願いしている」
「昔からの付き合いなので口頭中心」
「業務委託として扱っているけれど、書類までは整理できていない」

というケースも考えられます。

フリーランス法では、対象となるフリーランスへ業務委託をした場合、
発注事業者には業務内容、報酬額、支払期日などの取引条件を、書面または電磁的方法で明示することが
求められています。

ここで覚えておきたいのは、

「業務委託契約書」というタイトルの書類があるかどうかだけが問題ではありません。

そして、さらに重要なのが実際の働き方です。

契約書に「業務委託」と書いてあれば、自動的に労働者ではなくなるわけではありません。
反対に、契約書がないという理由だけで、直ちに労働者になるわけでもありません。

労働基準法上の労働者に当たるかどうかは、契約の名称だけで決まるものではなく、
仕事を断る自由、具体的な指揮監督、時間や場所の拘束、報酬の性質など、
実際の働き方を踏まえて総合的に判断されます。

だから確認したいのは、

「契約書ある?」だけではありません。

「どんな契約関係?」

そして、

「実際にどんな働き方をしている?」

ここまでがセットです。

契約と労災 今のうちに整理しておこう!!

ここまで読んで、
「うちは何から確認すればいい?」
と思った担当者の方もいるかもしれません。

まずは、現在配送をお願いしているドライバーについて、
契約関係と労災加入状況を一度整理してみましょう

難しい管理システムを作る必要はありません。
誰とどのような契約関係にあり、労災への備えがどうなっているのか。
まずは一覧にしてみるだけでも状況が見えてきます。

ドライバー契約・取引条件労災加入状況
Aさん書面あり確認済・加入
Bさん電子データあり確認済・加入
Cさん要確認未確認
Dさん要確認未確認

実際に整理すると、

「加入していると思っていたけれど、確認したことがなかった」

「何年も配送をお願いしているのに、契約関係をきちんと説明できない」

そんなドライバーが見つかるかもしれません。

大切なのは、いきなり全員へ労災加入を求めることではありません。
まずは現状を知ることです。
契約関係を確認する。
実際の働き方を確認する。
そして、仕事中のケガへの備えを確認する。

配送状況やドライバーの稼働状況は毎日確認している。
でも、
「もし、このドライバーが仕事中にケガをしたら?」
そこまでは確認していなかった。

そんな会社こそ、事故が起きる前に一度整理してみてはいかがでしょうか。

まとめ

委託ドライバーの労災を「本人任せ」にすることと、加入状況を把握していないことは別の話です。

また、「業務委託」と呼んでいるからといって、必ずしも労働者ではないと判断されるわけではありません。

だからこそ、事故が起きる前に。

  • 契約関係
  • 実際の働き方
  • 労災への備え

この3つを一度確認しておきましょう。

今日も、あなたの会社から委託ドライバーが荷物を積んで走っているかもしれません。
もし、そのドライバーが今日ケガをしたら。

その人の労災について、説明できますか?

ご注意:この記事は2026年9月3日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。