タイトル未(松嶺)

この記事はこんな方におすすめです

  • 機械の点検・保守・メンテナンスを個人で請け負っている方
  • 取引先やメンテナンスする機械を増やそうとしている方
  • メーカーと直接契約しても今の労災でよいのか気になる方
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はじめに

今回は、フリーランス保険組合へ
お電話で寄せられたご相談をご紹介します。

ご相談いただいたのは、
個人事業主として機械メンテナンスの仕事をしている
安田さん(仮名)です。

現在は副業として、
クレーンの法定点検などの仕事をしています。

今後は個人事業の仕事をさらに増やし、
クレーン以外の機械を扱ったり、
メーカーから直接仕事を受けたりすることも
考えているとのことでした。

そこで気になったのが、
「仕事の内容や取引先が広がっても、今の労災保険のままでよいのか」
という点です。

今回は安田さんのご相談をもとに、
機械メンテナンスの仕事を広げるときに
確認したい労災保険のポイントを解説します。

クレーン以外の機械をメンテナンスしても今の労災で大丈夫?

安田さんは現在、
クレーンの法定点検を行う事業者の応援として
メンテナンスの仕事をしていました。

ただ、今後はクレーンだけではなく、
コンベアなど別の機械についても
仕事を受ける可能性があるそうです。

クレーン以外の機械をメンテナンスする場合も、現在加入している労災保険の対象になりますか?

対象となる機械が変わったという理由だけで、
直ちに労災保険給付の対象外になるとは限りません。

ただし、大切なのは
「何の機械か」だけではなく「実際にどのような仕事をするのか」
という点です。

労災保険の特別加入には、
対象となる事業や作業ごとに区分があります。

新しく始める仕事が、現在加入している
特別加入の対象となる仕事なのか。

それとも、別の特別加入区分に
該当する仕事なのかを確認する必要があります。

「同じ機械関係の仕事だから大丈夫」と
職業名だけで判断しないことが大切です。

メーカーから直接仕事を受けても労災の対象?

安田さんには、もう一つ気になることがありました。

現在は点検事業者の応援として
仕事をしています。

今後はメーカーなどから直接依頼を受けて、
メンテナンス業務を受託することも
考えているとのことでした。

点検会社の応援ではなく、メーカーから直接仕事を受けても労災保険の対象になりますか?

メーカーなどの企業から直接
業務委託を受けること自体は、
特定フリーランス事業から外れる理由にはなりません。

厚生労働省では、
企業等から業務委託を受けて事業を行う
フリーランスを特別加入の対象としています。

そのため、
「二次請けだから対象」「メーカーとの直接契約だから対象外」
という単純な分け方ではありません。

契約先が変わったときも、
実際に行う仕事内容と現在の加入区分が
合っているかを確認することがポイントです。

契約先よりも「実際にどんな仕事をしていたか」が重要

フリーランスとして仕事を広げていくと、
発注者や契約形態が変わることがあります。

しかし、労災保険を考えるときは、
「誰から仕事を受けたか」だけを
確認すればよいわけではありません。

例えば同じ機械に関係する仕事でも、
点検、保守、修理、据付工事など、
実際の作業内容が変わることがあります。

仕事内容によっては、
現在とは別の特別加入区分が
関係する場合もあります。

また、実際に事故が起きた場合に
労災保険給付の対象となるかどうかは、
事故の状況などをもとに労働基準監督署が
個別に判断します。

そのため、仕事を増やす段階で
加入団体へ新しい仕事内容を伝えて
確認しておくことをおすすめします。

仕事で機械を壊した場合も労災保険で補償される?

仕事内容について確認した安田さんから、
続いて別の質問がありました。

例えば、自分がメンテナンスした機械を壊してしまったり、
その影響で工場の設備が動かなくなり、
損害が発生したりした場合です。

作業した機械を壊してしまった場合などの賠償も、労災保険で補償されますか?

このような損害への賠償は、
労災保険とは分けて考える必要があります。

労災保険は、基本的に仕事中や通勤中の本人のけがや病気などに対する制度です。

取引先の機械を壊した場合などの
損害賠償に備える保険ではありません。

仕事中の物損や賠償リスクにも備えたい場合は、
民間の賠償責任保険などを
別に確認する必要があります。

なお、フリーランス保険組合で取り扱っているのは、
国の労災保険の特別加入です。

仕事が増えて売上が上がったら労災保険料も上がる?

安田さんは今後、
副業として行っている個人事業を
さらに充実させたいと考えていました。

そこで最後に確認されたのが、
仕事が増えた場合の保険料です。

仕事が増えて売上や利益が増えたら、労災保険料も上がるのでしょうか?

国の労災保険料が、
売上や利益の増加に応じて
自動的に上がる仕組みではありません。

特定フリーランス事業の労災保険では、
給付額を計算する基礎となる
「給付基礎日額」を選択します。

その給付基礎日額をもとに、
国へ納める労災保険料が計算されます。

そのため、
「売上が増えたから翌月から自動的に保険料が上がる」
という仕組みではありません。

給付基礎日額によって、
支払う保険料だけでなく、
休業した場合などの給付額も変わります。

金額を選ぶときは、
保険料だけでなく必要な補償額も含めて
考えることが大切です。

機械メンテナンスの仕事を増やす前に確認したいこと

安田さんのように、
個人事業の仕事を増やしていくことは
珍しいことではありません。

ただし、仕事が広がったときは、
現在の加入内容も一度確認してみましょう。

  • 新しく始める作業は何か
  • 点検、保守、修理、工事のどれに当たるのか
  • 企業等から業務委託を受ける仕事か
  • 現在加入している特別加入区分の対象となる仕事か
  • 別の特別加入区分への加入が必要な仕事ではないか

「取引先が変わった」だけでなく「仕事内容が変わっていないか」まで確認することがポイントです。

判断に迷う場合は、
新しい仕事を始める前に、
具体的な作業内容を加入団体へ伝えて
確認しておくとよいでしょう。

まとめ

今回ご相談いただいた安田さん(仮名)は、
クレーンの法定点検などの
機械メンテナンスを行っていました。

今後はクレーン以外の機械にも仕事を広げ、
メーカーから直接仕事を受けることも
検討しています。

発注者や対象となる機械が変わっただけで、
直ちに現在の労災保険が使えなくなるとは限りません。

一方で、仕事内容そのものが変わり、
別の特別加入区分に該当する仕事を行う場合は
注意が必要です。

また、労災保険は本人のけがなどに備える制度であり、
仕事で他人の物を壊した場合などの
賠償責任を補償する保険とは異なります。

さらに、国の労災保険料は、
売上や利益が増えたからといって
自動的に高くなる仕組みではありません。

仕事を広げるときは、
新しく行う「実際の作業内容」と、現在の特別加入区分が合っているか
を確認しておきましょう。

公的な参考資料

https://www.mhlw.go.jp/content/001250166.pdf(https://www.mhlw.go.jp/content/001250166.pdf)

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