【事件です】草刈りで怪我したら「建設労災」が使えない?発注者の落とし穴

この記事はこんな方におすすめです

  • 「便利な職人さん」に工事と敷地の草刈り・維持管理を一括発注している行政担当者
  • 「一人親方労災の加入証明書」を1枚もらっただけで安心しきっている方
  • 万が一の事故で「議会や新聞から叩かれるリスク」を絶対回避したい方
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はじめに

「あの職人さん、コンクリート工事もできるし、
 余った時間で敷地の草刈りや剪定までやってくれるから助かるんだよね」

……と、笑顔で発注書に判を押している担当者様。

今すぐその発注、止めて確認してください。

その親方さんが持っている労災保険、「建設業」のものだけではありませんか?
もしその職人さんが維持管理の草刈り中に、草刈機で大怪我をしたらどうなるか。

結論から言います。

労災保険、1円も降りない可能性があります。

「え、保険入ってるって言ってたのに!?」と青ざめるのは、
事故が起きた後の取り調べ室(あるいは議会)です。

なぜそんな恐ろしい事態が起きるのか、行政担当者が知っておくべき「地雷の踏み方」を解説します。

恐怖の落とし穴:「建設の労災」は維持管理の草刈りを守ってくれない

一人親方が入る労災保険(特別加入)は、「どんな事業(職種)か」によって厳格にグループ分けされています。

建設業の特別加入が守ってくれるのは、あくまで「建設工事(土木・建築・外構など)」の最中だけ。

一方で、自治体からの委託に多い

「公園や公共施設の維持管理・清掃を目的とした草刈りや剪定」は、
建設工事ではなく農林水産事業やその他の事業(造園等)に分類されます。

つまり、「普段工事をお願いしている建設労災の親方」に維持管理目的の草刈りを任せ、
草刈機で足や指を切るような大事故が起きた場合、
労働基準監督署の審査でこう告げられます。

「あ、これ『建設工事』ではない(維持管理業務)ので、建設労災の補償対象外です」

保険があると思っていた職人さんは無保険状態になり、現場は大パニックに陥ります。

【一目でわかる】それ、どの保険?業務と区分のミスマッチ

「ちょっとした草刈りだから」という言い訳は通用しません。
法律上の区分は驚くほどドライです。

業務内容該当する事業区分「建設労災」「造園等の労災」
擁壁・外構・舗装などの「建設工事」建設事業○ おりる× おりない
工事の一環で行う
事前伐採・草刈り
建設事業○ おりる× おりない
公園・施設の「維持管理・清掃目的の草刈り」農林・その他× おりない!○ おりる
街路樹・庭木の
「剪定・維持管理」
農林・その他× おりない!○ おりる

【ここが地雷ポイント!】
同じ草刈りでも、「工事のための草刈り」か「維持管理のための草刈り」か
必要な保険が変わります。
「1枚の加入証明書」で安心していると、委託業務の事故で足をすくわれます。

事故発生!そのとき行政担当者を襲う「3つの悪夢」

もし「建設労災しか持っていない親方」が維持管理の草刈り中に重傷を負ったら、
担当者であるあなたに何が起きるでしょうか。

  • 「安全配慮義務違反」で詰められる
    「なぜ委託内容に合った保険加入を確認しなかったのか?」と、発注者側の過失を徹底的に追及されます。
  • 議会と記者会見での「説明責任」という地獄
    「自治体が事実上の無保険状態で作業させていた」と報じられれば、
    コンプライアンス欠如として厳しい批判に晒されます。
  • フリーランス保護の観点から大炎上
    フリーランス保護が叫ばれる時代、弱い立場の一人親方に適切な指示・確認を怠っていたとなれば、
    行政の信用は失墜します。

発注者が自衛するための唯一の正解は「両方加入」

では、建設工事も施設の維持管理も両方やってくれる優秀な親方さんには、
どう対応してもらうのが正解なのでしょうか?

答えはシンプル。
「建設業」と「造園(フリーランス)」の両方の特別加入をしてもらうことです。

どちらの団体にも二重で加入(重複加入)していれば、
コンクリートを打っている時に事故が起きても、チェンソーで木を切っている時に事故が起きても、
100%確実に労災がおります。

発注者である自治体側が取るべき自衛策は、
「今回の委託業務をすべてカバーできる保険に入っているか?」を契約前に鬼の首を取る勢いで確認すること
これに尽きます。

まとめ

便利で万能な職人さんほど、保険の罠にはまりやすいのが現実です。

  1. 「建設労災」を持っているだけでは、維持管理目的の草刈り事故は1円も降りない恐れがある
  2. 発注者(自治体)が未確認のまま作業させると、コンプラ違反で炎上リスクを負う
  3. 二刀流の職人さんには「両方の特別加入(重複加入)」を求めるのが唯一の防具

「知らなかった」では済まされないのが行政のコンプライアンスです。
お手元の発注リストと親方さんの保険証券、今すぐ合致しているか見直してみてください。

ご注意:この記事は2026年8月6日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
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