造船の内装・冷凍庫工事はどの労災保険?

この記事はこんな方におすすめです

  • 建設業の一人親方として働きながら造船の仕事もする方
  • 船内の内装工事や冷凍庫施工がどの労災になるか知りたい方
  • 造船の仕事に合った特別加入区分を確認したい方
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はじめに

今回は、フリーランス保険組合へ
お電話で寄せられたご相談をご紹介します。

ご相談の対象となったのは、
普段は建設業の一人親方として働く
日比野さん(仮名)です。

日比野さんは建設業の一人親方として
労災保険へ特別加入しています。

今後、造船所で仕事をする可能性があり、
船内の居住空間や食堂の内装工事に加えて、
冷凍船内の冷凍庫を作る仕事も予定されていました。

そこで気になったのが、
建設業の一人親方として加入している労災保険で、
造船の仕事まで対応できるのかという点です。

今回は実際のご相談をもとに、
造船所で行う内装工事や冷凍庫施工では、
どの特別加入区分を確認すればよいのか解説します。

造船の内装や冷凍庫工事はフリーランス労災の対象?

「船内の客室や食堂の内装工事と、冷凍船内の冷凍庫を作る仕事も、
 特定フリーランスの労災保険で対応できますか?」

今回ご相談いただいた仕事内容については、
造船の一環として行う仕事であることを確認し、
特定フリーランス事業の加入区分で
進められる旨をご案内しました。

ただし、「内装工事だから特定フリーランス」
と職種名だけで判断するわけではありません。

厚生労働省では、企業等から業務委託を受ける
フリーランスについて、業種や職種を問わず
労災保険へ特別加入できる制度を設けています。

一方、委託された仕事が建設業の一人親方など、
別の特別加入の事業や作業に該当する場合は、
その仕事に対応する加入区分を確認する必要があります。

そのため、実際にどこで、何を対象として、
どのような作業をするのかを確認することが大切です。

同じ内装工事でも仕事の対象を確認します

日比野さんは普段、建設業の一人親方として
仕事をしています。

そのため「内装工事」と聞くと、
現在加入している建設業の一人親方労災保険で
よいようにも見えます。

しかし今回の仕事は、建物の内装ではありません。

ドックで建造される船の中で、
居住空間や食堂などを施工する仕事として
相談されていました。

同じ「内装」という作業名でも、
何を対象に行う仕事なのかまで確認することが重要です。

建物に対する建設工事なのか、
船舶の建造や艤装の一環なのかによって、
確認する特別加入区分が変わることがあります。

今回確認した2つの造船作業

船員が使用する居住空間や食堂の内装

1つ目は、船内の居住空間や食堂などの
内装を施工する仕事です。

一般的な建物の内装工事と似た作業が
含まれる場合がありますが、
今回の相談では船の建造の一環として行う
船内作業であることを確認しました。

冷凍船内の冷凍庫を作る仕事

もう1つ確認されたのが、
冷凍船の中にある大きな冷凍庫を
作る仕事です。

こちらについても、冷凍船の建造に伴う
船内作業として相談されました。

日比野さんのケースでは、
この2つの仕事を具体的に確認したうえで、
特定フリーランス事業としての加入を
案内することになりました。

建設業の一人親方労災に加入済みならどうする?

「すでに建設業の一人親方労災に入っています。そのまま造船の仕事もできますか?」

現在加入している労災保険だけを見て、
造船の仕事にもそのまま対応すると
判断しないことが大切です。

厚生労働省は、特別加入について、
従事する事業や作業に対応した区分で
加入する仕組みとしています。

建設工事に従事するときと、
造船の一環として仕事をするときでは、
確認する加入区分が異なる場合があります。

建設と造船の両方の仕事をする方は、
それぞれの仕事内容を分けて加入団体へ伝えましょう。

「一人親方です」「内装業です」だけではなく、
実際の現場と作業内容まで伝えると
加入区分を確認しやすくなります。

造船の労災を確認するときに伝えたい3点

加入区分を確認するときは、
次の情報を整理しておくと分かりやすくなります。

  1. 誰から仕事を受けるのか。
  2. 建物や船など、何を対象にした仕事なのか。
  3. 内装、溶接、塗装、設備施工など、実際に何をするのか。

特定フリーランス事業では、
企業等から業務委託を受けて行う仕事であることも
重要な確認事項です。

仕事内容が複数ある場合は、
代表的な仕事だけではなく、
実際に行う作業をまとめて伝えてください。

特定フリーランスの労災保険料率は?

「特定フリーランスの労災保険料率は3/1000ですか?」

この点についても電話で確認がありました。

令和8年度の特定フリーランス事業の
特別加入保険料率は3/1000です。

年間の労災保険料は、原則として
給付基礎日額×365日×3/1000で計算します。

給付基礎日額は、休業補償などの
給付額を計算するときの基礎になる金額です。

なお、労災保険料とは別に、
加入団体ごとの会費や手数料が設定されている場合があります。

相談後は造船の仕事内容を確認して申込みへ

日比野さんについては、
船内の居住空間や食堂の内装と、
冷凍船内の冷凍庫を作る仕事について
具体的に確認しました。

そのうえで、今回相談された仕事内容は
造船の一環として行う仕事であることから、
特定フリーランス事業として
申込みを進める案内となりました。

相談では、本人から申し込む方法と、
代理で申し込む方法があることも確認されました。

造船所で建設業に似た作業をする場合でも、
職種名だけで加入区分を判断せず、
仕事を始める前に実際の作業内容を
加入団体へ伝えて確認しておくことが大切です。

まとめ

今回のご相談では、建設業の一人親方として働く
日比野さんが、造船所で船内内装や
冷凍船の冷凍庫施工を行う場合の
労災保険について確認しました。

ポイントは、「内装工」「設備工」といった職種名だけで
特別加入区分を決めないことです。

どの現場で、何を対象に、
どのような仕事をするのかまで整理して、
加入する労災保険を確認しましょう。

なお、実際に事故が発生した場合の
労災保険給付については、
事故の状況や業務との関係などをもとに
個別に判断されます。

公的な参考資料

令和6年11月1日から「フリーランス」が労災保険の「特別加入」の対象となりました
令和6年11月1日から「フリーランス」にも対象を拡大した労災保険の「特別加入」に関係する資料を掲載しています。
令和8年度の労災保険率について(令和7年度から変更ありません)

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