一人法人の社長でもフリーランスの労災保険に入れる?副業をやってる場合は?

この記事はこんな方におすすめです

  • 一人で法人を経営していて、フリーランス向け労災の対象になるか分からない方
  • 舞台音響や芸能制作の仕事を法人で請け負っている方
  • 本業とは別にフードデリバリーなど複数の仕事をしている方
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はじめに

今回は、フリーランス保険組合へ
お電話で寄せられたご相談をご紹介します。

ご相談いただいたのは、
一人で法人を経営しながら舞台音響の仕事をしている
中山さん(仮名)です。

法人の代表者は中山さん一人で、
常時働いている従業員やほかの役員はいないとのことでした。

中山さんが調べていて分からなかったのが、
「法人の社長でもフリーランス向けの労災保険に入れるのか」
という点です。

さらに話を伺うと、
法人で行う舞台音響とは別に、個人として
フードデリバリーの仕事もしていました。

この記事では、一人法人の代表者が
労災保険へ特別加入するときの考え方と、
複数の仕事をしている場合の注意点を紹介します。

一人法人の社長でもフリーランスの労災保険に入れる?

法人を一人でやっているのですが、フリーランス向けの労災保険に加入できますか?

中山さんから最初にいただいたのが、
このご質問でした。

結論からいうと、
法人であるという理由だけで、直ちに対象外になるわけではありません。

一人で会社を経営している場合でも、
代表者以外の役員や従業員の状況、
本人が実際に行っている仕事内容などを確認します。

フリーランス法では、法人の場合も、
代表者以外にほかの役員がおらず、
一定の従業員を使用していない場合は、
「特定受託事業者」に含まれる仕組みになっています。

ただし、労災保険の特別加入では、
「一人法人だから加入できる」と
会社の形だけで判断するものではありません。

本人がどのような仕事をしているのか、
その仕事がどの特別加入区分に当てはまるのかを
確認することが重要です。

また、臨時的に人を雇うことがある場合も、
雇用期間や勤務時間などによって確認内容が変わるため、
申込み前に加入団体へ具体的な状況を伝えましょう。

舞台音響は芸能関係の労災保険の対象になる?

一人法人であることを確認したあと、
次に重要なのが具体的な仕事内容です。

中山さんに仕事の内容を伺ったところ、
芝居やダンスなどの舞台で
音響業務を行っているとのことでした。

厚生労働省は、芸能関係作業従事者のうち、
芸能製作に関わる仕事の例として
「音響・効果、録音」を挙げています。

そのため、舞台などの芸能制作に伴う音響作業は、
芸能関係作業従事者の特別加入として確認する仕事の一つです。

ただし、「音響」という職業名だけで
すべて同じ区分になるとは限りません。

舞台や映画、番組制作などに関わる音響なのか、
建設工事に伴う設備工事なのかなど、
実際の作業内容によって確認する必要があります。

法人の仕事とは別に副業をしている場合は?

舞台音響について確認している途中で、
中山さんからもう一つ質問がありました。

法人の音響とは別に、個人で別の仕事もしています。この場合は同じ労災保険で大丈夫ですか?

詳しく伺うと、仕事がない日などに、
個人としてフードデリバリーの仕事をしていました。

使用しているのは125cc以下のバイクで、
料理などを配達しているとのことでした。

このような場合に大切なのが、
「フリーランスなら全部同じ労災保険」と考えないことです。

労災保険の特別加入には、
仕事内容によって複数の加入区分があります。

舞台音響とフードデリバリーでは、
対象となる仕事の種類が異なります。

今回のケースでは、舞台音響については
芸能関係作業従事者として確認し、
フードデリバリーについては配送業の区分として
確認することになりました。

複数の仕事をするなら仕事内容ごとに加入区分を確認

複数の仕事をしている方は、
「すでに労災保険へ特別加入しているから大丈夫」と
判断する前に、加入している区分を確認しましょう。

特別加入は、加入した区分で定められた
業務や作業を前提とした制度です。

まったく異なる仕事を兼業している場合、
一方の加入だけでは、もう一方の仕事まで
同じように扱われるとは限りません。

例えば今回の中山さんのように、

  • 舞台で音響の仕事をする
  • 空いている日にフードデリバリーをする

という場合は、それぞれの仕事内容について
加入区分を確認する必要があります。

「本業」「副業」という呼び方ではなく、
実際にどのような作業をしているかを
加入団体へ伝えることがポイントです。

一人法人が申込み前に確認しておきたいこと

一人法人で労災保険への特別加入を検討するときは、
少なくとも次の内容を整理しておくと、
加入区分を確認しやすくなります。

  • 自分以外の役員がいるか
  • 従業員を雇っているか
  • 臨時で雇う人がいる場合、その勤務期間や勤務時間
  • 自分自身が実際に行う作業
  • 誰から仕事を受けているか
  • ほかにも別の仕事をしているか

特に仕事内容は、
「音響」「配送」「制作」などの職業名だけではなく、
実際に現場で何をするのかまで伝えるのがおすすめです。

法人か個人事業主かだけで判断せず、働き方と仕事内容をセットで確認しましょう。

まとめ

今回は、一人で法人を経営しながら、
舞台音響の仕事をしている中山さんからの
ご相談をご紹介しました。

一人法人だからという理由だけで、
フリーランス向けの労災保険から
直ちに対象外になるわけではありません。

一方で、加入できるかどうかや加入区分は、
役員・従業員の状況や、
本人が実際に行っている仕事内容を確認して判断します。

また、中山さんのように舞台音響と
フードデリバリーなど複数の仕事をしている場合は、
それぞれの仕事内容に合った加入区分の確認が必要です。

「会社を作っているから対象外かな」
「すでに一つ加入しているから別の仕事も大丈夫かな」
と自己判断せず、まずは具体的な仕事内容を整理して
加入団体へ確認してみてください。

公的な参考資料

令和3年4月1日から労災保険の「特別加入」の対象が広がりました
令和3年4月1日から対象が広がった労災保険の「特別加入」に関係する資料を掲載しています。
令和6年11月1日から「フリーランス」が労災保険の「特別加入」の対象となりました
令和6年11月1日から「フリーランス」にも対象を拡大した労災保険の「特別加入」に関係する資料を掲載しています。
Q&A | 公正取引委員会

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