労災の給付基礎日額とは?休業時に「8割」になる仕組み

この記事はこんな方におすすめです

  • 給付基礎日額1万円なら1万円もらえると思っていた方
  • 労災の休業給付がなぜ「8割」なのか知りたい方
  • 休業中のお金と治療費の補償の違いを知りたい方
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はじめに

今回は、フリーランス保険組合へ
お電話で寄せられたご相談をご紹介します。

ご相談いただいたのは、
フリーランス労災保険について確認していた
水野さん(仮名)です。

水野さんが疑問に思ったのが、
申込みの際などに出てくる
「給付基礎日額」という言葉でした。

「給付基礎日額を1万円にしたら、休んだ日に1万円もらえるということですか?」

実は、給付基礎日額1万円を選んだからといって、
休業した日に1万円がそのまま支給されるわけではありません。

今回は、水野さんが特に気になっていた
「給付基礎日額とは何か」「なぜ休業時は8割なのか」
という疑問を中心に解説します。

給付基礎日額1万円なら、1日1万円もらえる?

水野さんから最初に出たのが、
「給付基礎日額そのものが支給されるのか?」
という疑問でした。

「例えば10,000円を選んだ場合、10,000円がもらえるわけではないということですよね?」

そのとおりです。

給付基礎日額は、休業時の給付額などを計算するための基礎となる金額です。

「1万円を選んだから、休んだ日ごとに
必ず1万円が支給される」という意味ではありません。

労働者の場合、給付基礎日額は原則として
事故前の賃金をもとに計算されます。

一方、特別加入者の場合は、
通常の労働者のような「賃金」を基準にできません。

そのため、定められた金額の中から
所得水準に見合った給付基礎日額を選び、
申請する仕組みになっています。

なぜ給付基礎日額の「8割」しかもらえないの?

給付基礎日額について説明すると、
水野さんからもう一つ質問がありました。

「8割なのは分かったんですけど、なぜ10割ではないんですか?」

仕事や通勤によるけがや病気で療養し、
仕事ができないなど所定の要件を満たした場合、
休業4日目以降の給付は、
給付基礎日額の合計80%相当です。

  • 休業(補償)等給付:給付基礎日額の60%
  • 休業特別支給金:給付基礎日額の20%

この2つを合わせて、合計80%となります。

例えば給付基礎日額が1万円の場合、
所定の支給要件を満たせば、
休業1日につき合計8,000円相当となります。

給付基礎日額5,000円なら、
合計4,000円相当です。

残りの2割は、保険料に使われているの?

水野さんが特に気になっていたのが、
「残りの2割はどこへ行くのか」という点でした。

「8割なら、残りの2割は何かに充てられるんですか?」

ここは、給付基礎日額を初めて見る方が
勘違いしやすいポイントです。

残りの2割が差し引かれて、保険料などに充てられるという意味ではありません。

給付基礎日額は、あくまで計算の基準です。

休業時の給付について、
60%の休業(補償)等給付と
20%の休業特別支給金を合わせた
80%が支給される仕組みになっています。

つまり、「1万円から2,000円を引かれた」
と考えるのではなく、
「1万円を基準に8,000円を計算する」
と考えると分かりやすいでしょう。

給付基礎日額を高くすると、保険料も高くなる?

給付基礎日額を高くすると、
休業給付などの計算基礎が大きくなります。

一方で、労災保険料も
給付基礎日額をもとに計算されるため、
日額を高くすると保険料も高くなります。

ただし、単純に
「一番高い日額を選べばよい」
というものではありません。

給付基礎日額は、自分の所得水準に見合った金額を選ぶことが大切です。

給付基礎日額そのものの選び方については、
関連記事で詳しく解説しています。

治療費も「8割」になるの?

最後に、水野さんからは
治療費についても質問がありました。

「治療費の補償は、休業中にもらえるお金とは別ですか?」

はい。休業時のお金と、けがや病気の治療に対する給付は別です。

仕事や通勤が原因のけがや病気として認められ、
療養(補償)等給付の対象となった場合、
労災保険指定医療機関では、
必要な治療を原則として自己負担なく受けられます。

指定医療機関以外を受診した場合は、
いったん費用を立て替えたうえで、
後から請求する場合があります。

つまり、「休業時は8割だから治療費も8割」という仕組みではありません。

実際に労災保険の給付対象となるかは、
事故やけがの状況などをもとに
労働基準監督署が個別に判断します。

まとめ

  • 給付基礎日額は、その金額がそのまま毎日支給されるものではなく、労災保険の給付額などを計算する基礎となる金額です。
  • 休業4日目以降は、所定の要件を満たせば、60%の休業(補償)等給付と20%の休業特別支給金を合わせて給付基礎日額の80%相当が支給されます。
  • 治療に関する療養(補償)等給付は休業給付とは別の制度で、給付基礎日額の「8割」が治療費に適用されるわけではありません。

水野さん(仮名)のように、
「1万円を選んだのに、なぜ8,000円なの?」
と疑問に思う方は少なくありません。

給付基礎日額を選ぶときは、
金額だけを見るのではなく、
「何の計算に使われる数字なのか」を確認しておきましょう。

公的な参考資料

3-5 休業(補償)等給付の計算方法を教えてください。

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ご注意:この記事は2026年9月2日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。