公開日:2026年7月31日
ID:17016

この記事はこんな方におすすめです
はじめに
船上では、転倒や海中への転落、ロープへの巻き込まれなど、
陸上とは異なる事故が起こる可能性があります。
会社に雇用されている船員には原則として労災保険が適用されますが、
船を所有して自ら操船する事業主や、一人で船の仕事をしている人は、
自動的に適用されるとは限りません。
このような方が仕事中のケガなどに備えるための制度が、
労災保険の「特別加入制度」です。
船員の労災特別加入とは?
労災保険は、原則として会社などに雇用されている労働者を対象とする制度です。
ただし、労働者を常時雇わず、船員法の対象となる船舶で
自ら船員として働く一人親方・自営業者などは、
一定の条件を満たすことで労災保険に特別加入できます。
船員手帳がなくても加入できる?
船員手帳を持っていることは、
厚生労働省が示す一人親方等の特別加入要件に、
一律の条件として記載されていません。
そのため、船員手帳がないという理由だけで、必ず加入できないとはいえません。
重要なのは、船員手帳の有無だけではなく、次のような点です。
・船員法の対象となる船舶か
・どのような船で仕事をしているか
・航行区域はどこか
・実際にどのような業務を行っているか
・船員を年間何日使用しているか
自ら船を操縦する場合は、船舶の種類や大きさ、
航行区域などに応じた海技免状や小型船舶操縦免許などが必要になることもあります。
ただし、免許を持っているだけで特別加入できるわけではありません。
船の大きさだけでは判断できません
船員法の対象を確認するときは、
「5トン」「30トン」という数字が判断材料になります。
一般に、次の船舶は船員法の適用対象外とされています。
・総トン数5トン未満の船舶
・湖・川・港だけを航行する船舶
・政令で定める総トン数30トン未満の漁船
・スポーツやレクリエーションを目的とする一定の小型船舶
ただし、船の大きさだけで加入区分が決まるわけではありません。
船舶の種類や用途、航行区域、実際の仕事内容なども含めて確認する必要があります。
漁業をしている方は、「船員」と「漁業」の
どちらの特別加入区分に該当するか、加入前に確認しましょう。
どのような事故が補償される?
特別加入が承認されると、
申請した業務の範囲内で発生した仕事中の事故や、
一定の通勤災害が補償対象になります。
例えば、次のような事故が考えられます。
・操船中に船内で転倒した
・ロープや漁具に手を挟まれた
・荷物の積み下ろし中に腰を痛めた
・船内設備の点検中に負傷した
・作業中に海へ転落した
船員保険との違いは?
船員保険と労災保険は、役割が異なります。
船員の職務上のケガや病気に関する基本的な補償は労災保険から行われ、
船員保険には、一定の要件を満たした場合に労災保険の給付を補う独自給付があります。
ただし、労災保険に特別加入すれば、
全員が自動的に船員保険の給付を受けられるわけではありません。
船員保険の加入資格や、それぞれの給付要件を確認する必要があります。
船員の労災特別加入は、こんな人におすすめです
船を所有し、自分で操船して仕事をしている
一人または家族で船の仕事をしている
取引先から労災保険への加入を求められている
船内作業や荷役作業中の事故に備えたい
ケガで働けない期間の生活が心配
船員と漁業のどちらの区分になるか分からない
加入前に確認しておきたいこと
まとめ
船員として仕事をする一人親方や自営業者も、
一定の条件を満たせば労災保険に特別加入できます。
船員手帳は、一人親方等の特別加入における
一律の必須書類として示されているものではありません。
ただし、船員法の対象となる事業かどうかは、
船舶の種類、総トン数、航行区域、仕事内容などをもとに判断されます。
「船員手帳を持っていない」
「船員と漁業のどちらになるか分からない」という方は、
フリーランス保険組合までお声がけください。

