公開日:2026年5月14日
最終更新日:2026年9月30日

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はじめに
建設工事の現場で、作業を始める前に雪をどけることになった。
そんなとき、気になるのが「この除雪は、建設業の一人親方労災の範囲なのか」という点です。
除雪と聞くと、すべて建設業とは別の仕事だと考えてしまうかもしれません。
しかし、加入区分を考えるときは、「除雪」という作業名だけで判断しないことが大切です。
厚生労働省が示す建設の一人親方等の対象には、土木、建築その他の工作物の建設や修理などに加え、「その準備の事業」も含まれています。
そのため、建設工事と関係なく行う除雪なのか、具体的な建設工事を進めるために行う作業なのかを分けて確認する必要があります。
この記事では、建設工事に伴って除雪をするときに、何を確認すればよいのかを整理します。
除雪ならすべてフリーランス労災とは限らない
まず押さえておきたいのは、除雪という作業名だけでは加入区分を決められないということです。
たとえば、建設工事とは関係なく、店舗の駐車場や住宅の雪かきを除雪の仕事として請け負うケースがあります。
これは、今回取り上げる「建設工事に伴う除雪」とは分けて考える必要があります。
一方で、請け負っている建設工事を行うため、工事場所の積雪を取り除くようなケースもあります。
同じ「雪をどける作業」でも、何の仕事として行っているのかが違います。
建設工事とは別に除雪業を行っている方は、こちらの記事もあわせてご確認ください。
建設工事に伴う除雪で確認したい4つのポイント
では、建設工事の現場で除雪を頼まれた場合、何を確認すればよいのでしょうか。
1.具体的な建設工事があるか
まず確認したいのは、除雪の先に具体的な建設工事があるかです。
たとえば「○○邸外壁改修工事」「○○施設新築工事」など、実際に請け負っている工事があるかを確認します。
単に「建設会社から除雪を頼まれた」というだけでは、建設工事との関係までは分かりません。
2.何のために除雪するのか
次に確認するのが、除雪をする目的です。
- 工事を始めるために作業場所の雪を取り除く
- 資材を搬入するために工事場所を除雪する
- 施工する場所を確保するために雪をどける
このように建設工事との関係がある場合は、その関係性を確認する必要があります。
反対に、工事とは別に駐車場全体の除雪を請け負っている場合などは、同じ場所で行っていても別の仕事として考える必要があります。
3.注文書や契約内容はどうなっているか
「どこで作業したか」だけでなく、何を請け負っているのかも重要な確認材料です。
注文書や契約書、発注内容などを見て、除雪が建設工事の一部として依頼されているのか、除雪だけを別の仕事として依頼されているのかを整理します。
4.実際にどんな作業をしているか
書類上の名称だけではなく、実際の作業内容も確認します。
厚生労働省も、特別加入の区分について、実際には個別の作業態様や業務内容を踏まえて判断すると案内しています。
そのため「現場にいるから建設業」「雪をどけるから除雪業」と、作業場所や作業名だけで決めないことが大切です。
3つのケースで違いを考えてみよう
ここからは、分かりやすくするために3つの例で考えてみます。
ケース1|店舗の駐車場除雪だけを請け負った
建設工事はなく、冬の間だけ店舗の駐車場を除雪する契約です。
この場合は、建設工事に伴う除雪ではありません。除雪そのものを仕事として請け負っているため、仕事内容に合う特別加入区分を確認します。
ケース2|外壁工事を始めるため作業場所を除雪した
自分が請け負っている外壁工事を行うため、施工場所に積もった雪を取り除きました。
この場合は、具体的な建設工事と除雪との関係があります。建設の事業には「その準備の事業」も含まれるため、工事内容や契約、実際の作業を整理したうえで加入区分を確認します。
ケース3|工事先で駐車場の除雪も別に頼まれた
建設工事で訪れた場所で、工事とは別に施設の駐車場全体の除雪も依頼されました。
同じ発注者、同じ場所であっても、それだけで建設工事の一部とは決められません。工事との関係や発注内容を分けて確認することが大切です。
この3つから分かるように、「どこで除雪したか」より、「何の仕事として除雪したか」を整理することがポイントです。
判断に迷ったら、この5点を整理して確認
加入区分を自分だけで判断するのが難しい場合は、問い合わせる前に仕事内容を整理しておくと確認しやすくなります。
これらを整理したうえで、加入している特別加入団体などへ確認しましょう。
仕事内容によって判断が変わる可能性があるため、工事名や作業内容を具体的に伝えることが大切です。
特定フリーランス事業との関係も確認しよう
2024年11月から、企業等から業務委託を受けるフリーランスは、業種や職種を問わず労災保険へ特別加入できる制度が始まりました。
ただし、厚生労働省は、委託を受けている業務が建設などすでに別の特別加入の対象となる事業や作業に該当する場合は、その特別加入団体へ申し込むよう案内しています。
つまり、「建設業の一人親方労災か、フリーランス労災かを好きな方から選ぶ」という考え方ではありません。
実際に行う仕事がどの加入区分に当てはまるのかを確認することが先になります。
建設業と除雪業をそれぞれ別の仕事として行っている方は、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
工事現場で除雪をしたからといって、すべて同じ加入区分になるとは限りません。
確認したいのは、除雪という作業名ではなく、その除雪が何の仕事として行われているのかです。
建設工事とは別に除雪を請け負っている場合と、建設工事に関連して除雪する場合を分けて整理しましょう。
判断に迷う場合は、工事名や契約内容、実際の作業を整理してから確認することが大切です。
参考資料
※この記事は2026年9月15日時点の情報をもとに作成しています。実際の加入区分や労災認定は、個別の作業態様や業務内容などによって判断が異なる場合があります。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。




