公開日:2026年10月20日
最終更新日:2026年10月20日

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はじめに
施術中、万が一患者様にけがをさせてしまったら、労災保険で補償されるのでしょうか?
柔道整復師が知っておきたい「自分のけが」と「患者様への補償」の違いを解説します。
施術中に患者様をけがさせたら労災になる?
患者様の身体に直接触れて施術する柔道整復師。
日頃から十分注意して施術をしていても、仕事上のトラブルについて不安を感じることがあるのではないでしょうか。
たとえば、
・施術中に患者様にけがをさせてしまった
・患者様の衣服や持ち物を破損してしまった
・訪問施術先で物を壊してしまった
といったケースです。
ここで、「仕事中に起きた事故だから、自分が加入している労災保険が使える?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、労災保険は、仕事中に起きたすべてのトラブルを補償する保険ではありません。
患者様など第三者に与えた損害については、労災保険とは別に考える必要があります。
労災保険は「自分自身」のけがなどに備える制度
フリーランスの柔道整復師が特別加入する労災保険は、仕事中や一定の通勤中に、加入者本人がけがをしたり病気になったりした場合などに備える制度です。
たとえば、
・患者様の身体を支えた際に自分の手首を痛めた
・施術中に自分の指をけがした
・施術器具の準備中に転倒してけがをした
・訪問施術先への移動中に事故に遭った
などです。
仕事中のけがなどが労災と認められた場合には、治療に必要な「療養(補償)等給付」などの対象となります。
また、けがの療養のため働くことができず、一定の要件を満たした場合には「休業(補償)等給付」を受けられる場合もあります。
つまり労災保険は、柔道整復師自身に起きた仕事中などのけがや病気に備えるものです。
患者様への補償は「賠償責任」の問題
では、施術中に患者様へけがをさせてしまった場合はどうでしょうか。
これは、自分自身がけがをした場合とは話が異なります。
患者様にけがをさせたり、患者様の物を壊したりするなど、第三者に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負う場合には「賠償責任」の問題となります。
そのため、自分自身が加入している労災保険から、患者様への損害賠償金が支払われるわけではありません。
こうしたリスクに備えるものとして、民間の賠償責任保険などがあります。
ただし、賠償責任保険は商品によって、
・どのような事故が対象になるのか
・施術による事故が対象になるのか
・物を壊した場合も対象になるのか
・補償される金額はいくらなのか
などが異なります。
加入を検討する場合には、「柔道整復師として実際に行っている業務が補償対象になっているか」を確認することが大切です。
柔道整復師は2つのリスクを分けて考えよう
柔道整復師として働くうえでは、大きく分けて2つのリスクがあります。
ひとつは、
「自分自身が仕事中にけがをするリスク」です。
もうひとつは、「施術などによって患者様や第三者に損害を与えてしまうリスク」です。
似ているように見えますが、備える保険は同じではありません。
たとえば施術中、患者様を支えようとして自分も患者様も転倒してしまった場合を考えてみましょう。
柔道整復師自身のけがについては、労災保険に特別加入しており、業務上の災害と認められれば労災保険の給付対象となる可能性があります。
一方、患者様に生じた損害については、労災保険ではなく、損害賠償責任の有無や加入している賠償責任保険などを確認することになります。
「労災保険に入ったから、仕事中のあらゆる事故に備えられる」というわけではありません。
自分を守るための備えと、患者様など第三者への損害に備えるものを分けて考えることが大切です。
まとめ
柔道整復師が施術中に患者様をけがさせてしまった場合、患者様への損害が自分の労災保険で補償されるわけではありません。
労災保険に特別加入することで備えられるのは、仕事中や一定の通勤中に発生した柔道整復師本人のけがや病気などです。
一方、患者様へのけがや物の破損などは、賠償責任の問題として別に考える必要があります。
柔道整復師として仕事をするときは、
「自分がけがをした場合」と「患者様などに損害を与えた場合」を分けて、それぞれどのような備えがあるのか確認しておきましょう。
「労災保険ではどこまで補償される?」「自分の働き方でも特別加入できる?」など、ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にメール窓口までお問い合わせください。



